2015.05.21 民間伝承 パン,不幸,乗車駅,五感,周波,品物,場合,夕方,大抵,容姿,幼少期,成仏,所詮,日中,特定,自己満足,血筋,電車,頬張る
腐っているのはただ片付けるしかないので、波を漂わすことさえ控えなければならない。枯れているのとは違う、腐っている。いつもとは違う乗車駅で種類の乏しい品物の中からひとつの菓子を選び、日中から夕方にかけて数少ない電車を待ちながら頬張る幼少期の男の子はただ腐った何かを見つめていた。まるで早朝の鉄腕アトムをみてあざ笑うかのように。
腐ったものに水をあげるのは無礼だ。血筋も所詮、見抜かれている。その後の挑戦だの磨きだの、腐ったものには後の祭りなのだ。もしも生き返ったように思うのであれば、それはすなわち単なる自己満足であり、さらには周辺をも不幸にする感受性を生み出す。自己満足なんていうのは大抵、どんなに敵を生んでもたったひとつの、特定の何かを幸せにするのもである。しかしながら、この場合は誰も幸せに導くことのできない恐ろしいものである。
だから遠くに見える緑の容姿を眺めて、五感を活用していた。
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