2018.05.21   視覚表現

ホームセンターの枯葉と病気で半額以下のバラを買って、復活するまで育てる。

植物やガーデニングに興味を持ち始めたきかっけは、葉加瀬太郎のコンサートでもらったひまわりの種を庭に蒔いてみたことがきっかけである。それについては別記事『ひまわりの種を葉加瀬太郎にもらったので、庭に蒔いてみた。』でも紹介しているが、今回はその後、これまでに園芸や植物にまったく興味がなかった人間が、一年でどのような植物とのふれあいをしていくのかをただただ、淡々と綴っていくものである。

ひまわりを育てる途中、あることに気づく。

ちょっと遅めではあったが、6月上旬から種を蒔いて育ててきたひまわりも、7月にはグングンと成長してくる。すると、ひまわりをみていてあることに気づく。それは『花が咲くまで華やかさがない』ということだ。それは、ひまわりオンリーだと仕方がないのである。しかしながら、こうして毎日のようにひまわりの草木を眺めていると、どうしても花が咲いた状態というのを何かしら育ててもいいのではないかという、素朴な疑問が生まれてくるのだ。そうもなるともう、車を運転してても道を歩いていても他人が庭でどのようなものを育てているかにしか興味がなくなってくるのである。そのような目線でいろいろな人の庭を観察していると、ひときわ目立つシンボルのような花があることに気づく。そう、それがバラである。

そうだ、バラを育てよう(夏なのに)

そう、いろいろな人の家の庭をぼんやりと眺めていると気づくことは、バラの存在感が強いということである。これまで庭には何も育てていなかった人間からすると、バラがあることはとても美しいことだと思えてくるのである。そうだ、自分の庭にもバラを育てよう。季節外れの7,8月になって、自分は必死になってバラを探し求めるようになる。

こんな真夏に、いいバラはまずない。

必死になってバラを探し始めたものの、さすがは素人である。こんな真夏の最中に園芸コーナーを歩き回っても、まず立派なバラなどひとつも見つけられないのだ。あっても、花が咲いていないのでどのような花が咲くのかもわからない。はっきりいって時期を間違えているのである。しかも暑い。ビニールハウスで販売している園芸コーナーには行ったことがあるだろうか。あれは生き地獄である。私はあの真夏日のビニールハウスを『無料で入れるサウナ』とも呼んでいる。そんな中で、冷静にバラを見極めることができるだろうか、いやできないだろう。

ただし、こんな真夏日にでもバラを探すメリットというものを、私は見出してしまった。

夏は値下げしているバラが多い。

あー、せっかくならこの夏のタイミングで販売されているバラ売り場を写真におさめておけばよかった。この時期のバラ売り場はとにかくひどく、ほぼ枯葉状態のようなものが多数見つかるのである。私はたまたまこの時期にバラにハマってしまったものだから、仕方なくほぼ枯葉+病気もちという定価3,000円前後のものを1,000円以内の破格の料金で購入してみた。今回はアプリコットキャンディという品種とキャラメルアンティークという、いずれも非つる性系なのだが、それを約1ヶ月の間大事に育ててみたところがコレである。

アプリコットキャンディはこんな感じ。

いかかだろうか。枯葉と病気を持っていたため、購入する時点では実際の花の色も形も定かではなかったが。こうして人間の都合で枯葉や病気となってしまったのにもかかわらず、また自らの力で本来の姿に戻っていく植物には、よくもまあこんなに美しく咲き戻ってきてくれたなと頭が下がる思いである。アプリコットキャンディに関していえば特に枯葉が多く、購入直後はほとんど丸刈り状態にして、かつ切り戻しをしてみたが、ほんとに1ヶ月程度で花が咲くまでに成長してくれた。

キャラメルアンティークはこんな感じ。

同じくキャラメルアンティークも枯葉と病気を持っており、特に病気が目立っていた。こちらもだいぶ切り戻して、最初はだいぶ丸刈り状態であった。ここからどうやって花が咲くのかと疑ったが、こちらは1ヶ月程度で見事に咲いてくれた。

9月に生まれ変わったバラたちは、2,3回ほど蕾を繰り返して咲かせることになった。そして、自分の庭ではじめての冬を迎える時期に、また来年も大きく咲いてくれるようにとがっつりと切り戻しをすることにした。こんな、素人がいきなりバラに興味を持って育て始めた1年目は幕を閉じたのである。それを5月を迎えた今、ふと思い出して振り返ったバラ物語である。


槍の間合いもまだまだだな。