2014.11.18 視覚表現 お小遣い,キャラクター,テレビ,マンガ,両親,代償,低学年,偶然,友人,取引,同世代,小学生,少年,必然,教師,時間,環境,空想,絵,自体,評価,駆け引き
小学生低学年のときはもっぱら某アニメキャラクターを写して絵を描いたり、時には空想の中でキャラクターを生み出して絵に描いたりして遊んでいのだ。テレビやマンガでもみたことのないキャラクターがそれなりに描けていると、同世代の友人からのウケはすこぶるよく、そのイラスト自体が高く評価される。そんな環境が私のまわりにはあった。
あるときにはそのイラストをみて、小学校2年生ながらも「ほしい」と思う友人がちらちらといて、一度だけそのイラストと友人のお小遣いを交換したことを今でもはっきりと覚えている。なぜそんなことを今でもはっきり覚えているのかといえば、それは単純なことだ。当時その駆け引きをしたことがお互いの両親の耳に行き渡り、ものすごい勢いで叱られ、互いの両親の目の前でイラストとお小遣いを戻し合ったからである。
もしもあの取引が何度も続いていれば、いずれ両親や学校の教員の耳には渡っていたことであろう。そして、万が一どの間合いで知られたとしても、やはり同じように叱られ、同じように対処されていたのである。その間合いというものはたまたま小学校2年生だったのか、それとも必然的に、たった一回のあの間合いで見つかるさだめであったのかは、たいして重要なことではない。
時間を費やして絵を描いた少年がいて、一方ではそれを「ほしい」と思い、お小遣いを代償に絵を手に入れた少年がいた。それが重要なことである。
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