尖った爪を研ぐ眼差しは、窓越しの遠い西日を向いていた。

踵だけを何十分も磨く機会はほとんどないが、この日だけは時間をかけて踵を洗う口実ができたようで。左右かまわず、どちらの踵も丁寧に時間をかけて磨くことになっている。ある一定のリズムで磨くことには少々飽き気味でありながらも、自…

2015.06.01 , , , , , , , , , , , ,